この力は字の通り、頭の中で物事をイメージする力です。
友だちとごっこ遊びをしたり、言われた言葉の意図を理解したり(例:「お湯が湧いているか見てきて」という言葉には、「湧いていたら止めてね」という意図が含まれている)、先を見越して行動したり(例:「ここからジャンプしたら届かなそうだな」と予測)するには、イメージする力が必要になります。
この力は、生活面・学習面・人との関わりなど、様々な場面で必要とされる力です。
この力に苦手さがあると、例えばこのようなことに困ることがあります。
・相手の気持ちが分かりにくい(例:どうして泣いているの?)。
・過程が分かりにくい(例:どうやったら見本と同じように作れるの?)。
・様々な選択肢があることがイメージしにくいため、特定の物事に固執しやすい(例:こだわりやマイルール)。
・文章問題では、抜き出し問題はできるが背景を読み取る問題が苦手。
・いつもと違う場面に遭遇すると、どうしたら良いかわからなくなり、固まったりパニックになったりする。
・言われた状況を思い浮かべることが難しい。
・危険を予測した行動が難しい。
このように、想像力・イメージの苦手さは、様々な場面に影響を与えます。
またこの力に苦手さのあるお子さんは、他者と共通の認識を持って物事を進めたり状況を共有したりすることが難しいために、しばらくしてから、「言っていたことと違うじゃないか!」となってしまうことも珍しくなく、対人関係を築くことに苦労する場合もあります。
まずは、単に「想像力がない、イメージができない」ととらえるのではなく、「どんなことをイメージするのが苦手なのか?」といった視点でお子さんを観察してみてください。
そして次に大切なことは、「どう伝えたらイメージしやすいのか?」ということです。言葉で状況を伝えることが理解につながりやすいお子さん、絵や見本を見せることで理解につながりやすいお子さん、事前に起こりうる状況を伝えておくことで心の準備がしやすいお子さん、色々なタイプのお子さんがいます。お子さんに合わせて声をかけることで、お子さんのイメージを補い、発達をうながしていけると良いでしょう。
また、想像力・イメージはトレーニングや遊びの中で十分に育てていくことができます。
やんちゃワークでは、想像力・イメージの力を確認したり、伸ばしたりするプリントを多く掲載しています。
※ページの最後に、遊びの中で想像力・イメージの力を育ててくれる玩具を紹介しています。