普段から声が大きすぎたり小さすぎたり、場に合った声量で話したりすること(例:待合室では小さな声で話す)などが苦手なお子さんがいます。
この場合、「もっと小さい声で話して!」や「うるさい!」と言われても、どのくらいのボリュームまで下げれば良いのかが分かりにくいことが多くあります。
また、感覚的な課題によって(例:鈍感さ)、声を目一杯出さないと「声を出した感覚」をキャッチしにくいお子さんもいます。
その場合、「小さい声を出している感覚」も一般的な感覚とは異なることもあるのです。
このようなお子さんに対しては、「声の見える化」をおすすめします。
家庭の中で、あるいは集団生活の中で、このようなプリントをお子さんと共有しておくことによって、「今の声は大きな声だから、普通の声まで下げて」などという指示が分かりやすくなります。
読字が難しいお子さん用に、動物で声の大きさを表しているものも作成しました。
お子さんの興味関心や発達段階に合わせてご使用ください♪
ご家庭でこのプリントを使う場合の注意点があります。
まずは、大人がこのプリントに意識を向けることを心がけてください。(実はこれが一番難しいことかもしれません。)
1日だけお子さんと声の大きさを確認し、後日急に「今の声は4の声だから、3まで下げて」と伝えても、「3の声の感覚」は覚えていません。
日々の生活の中で、見えやすい場所にプリントを貼っておき、「今日のいただきますは、2の声でやってみよう」「○時までは普通の声で遊んでね」などと、丁寧に声をかけていくことがとても大切です。
この感覚を身につけられれば、もうこのプリントは必要ありません。
無理のない範囲で、お子さんの力を伸ばしていきましょ♪
【専門職の方へ】
「声のものさし」とも言われる表です。
保育園や学校の先生にお会いすると、「これをクラスに貼っているのに、効果がないんです」と相談を受けることがありますが、その場合、だいたい先生もプリントを見ていないことが多かったりします。困った時だけこのプリントを指さして子どもたちに伝えるため、声の出し方の感覚が身につきにくいのです。
逆に、毎日のように「今日は〇〇の声でご挨拶をしましょう」などと声を掛けているクラスでは、急に「今は〇〇の声で話して!」と伝えても、子どもたちがスムーズに対応できることが多くあります。まずは大人がこのプリントを意識する、ということから始めてみてください♪